当社は、社会に貢献するエネルギー企業として、
石油・天然ガスの開発とその効率的な生産・供給を目指すとともに、
次世代の成長を見据え、再生可能エネルギーの事業化や
カーボンリサイクル事業、森林事業のサポートにも取り組んでいます。
石油・天然ガス開発技術とのシナジーが期待できる地熱発電をはじめ、
風力発電・太陽光発電などの再生可能エネルギーへの取り組みを強化し、
新エネルギーの技術開発を意欲的に推進するなど、
新たな可能性を追求していきます。
01地熱開発
地熱発電とは、地下にあるマグマの熱で温められた熱水を汲み上げ、地上で分離した蒸気によりタービンを回転させて発電するものです。地熱発電の特徴として発電時にCO2の排出が少なく、また、他の再生可能エネルギーと異なり天候や季節の影響を受けずに安定して発電できることから、貴重なクリーンエネルギーとして注目されています。
当社は、海外における地熱開発の取り組みとして、インドネシアのムアララボ地熱発電事業へ参画しています。
本事業は、2019年12月の商業運転開始から30年間にわたって、インドネシア国営電力会社(PT PLN(Persero))に地熱で発電した電力を販売する計画です。
また、国内においても、秋田子安地域と北海道阿女鱒岳地域で地熱発電の事業化検討を継続的に実施しています。
02太陽光発電
太陽光発電所の中で出力1メガワット以上の大規模な発電施設をメガソーラーと呼びます。東日本大震災以降、電力供給不安の解消に向けて太陽光発電への期待が高まり、広い土地に多くの太陽光パネルを並べたメガソーラーの建設が、国内各地で進められています。当社は、新潟県上越市において「INPEXメガソーラー上越」を保有し、その年間予想発電量は約533万kWh/年で、一般家庭約1,600世帯分の年間電力消費量に相当します。
03風力発電
現在、国内における陸上風力発電事業と海外での洋上風力発電事業の開発を推進しており、今後は、海底油ガス田の洋上生産施設の建設・操業で培った技術を活かし、国内外の浮体式洋上風力発電事業の事業開発、事業参入についてパートナー戦略も含めて積極的に進めています。オランダにおける洋上風力発電プロジェクトへの参画や、長崎県五島市沖の浮体式洋上風力発電所の建設・運営実現に向けたコンソーシアムにも参加しています。
04メタネーション技術
メタネーションとはCO2からメタン等の有価物を製造する技術であり、二酸化炭素と再生可能エネルギーで生成したグリーン水素から合成メタンを製造することで、都市ガスのカーボンニュートラル化が実現できます。当社はこれまで積み重ねてきた実証試験の成果を活用し、2025年には製造したメタンを当社のガスパイプラインで需要家へ供給することを目指します。
05水素事業
水素は天然ガスを原料として製造することもできるため、天然ガス事業との親和性が高く、天然ガス事業を行う当社としても積極的に取り組みを進める分野です。国内で生産した天然ガスを水素とCO2に分離し、取り出した水素を発電事業や水素ステーションへ供給する製造から利用までの一気通貫プロジェクトの実証を新潟県で実施します。分離されたCO2もCCUSによって当社保有のガス田に圧入してガスを増産し、資源の有効利用と同時にカーボンフリーな水素を新しいエネルギーとして供給することにより、水素社会の実現を後押しします。
06CCS・CCUS技術
CCS*(CO2の回収・貯留)は、今世紀中に温室効果ガスの大幅な排出削減を実現するための主要な技術といわれていますが、石油・天然ガス業界では以前より世界で広く使用されている技術です。当社は現在の事業基盤である石油・天然ガス領域において、操業中に排出されるCO2を地中に圧入して大気中に排出しないCCS・CCUS**(分離・貯留したCO2の利用)を推進していきます。
*CCS:Carbon dioxide Capture and Storage
**CCUS:Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage