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先輩社員インタビュー

巨大な地球に対して
自分なりの解釈を
加えることの面白み。

市澤 恵爾

2010年入社 オセアニア事業本部
イクシスユニット(パース駐在)
専門分野:地質 
専攻:地球科学

※所属部署・内容などは取材当時のものです。

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地質

人間が取得できる地質に関するデータは、検討対象とする地層が形成されたプロセスのスケールに対して時間的にも空間的にもわずかなものです。ですが、その限られたデータから自身の観察力・知識・想像力・論理的構成力をフルに使い、巨大な地球のこれまでの成り立ちに対して自分なりの解釈を加えていく点に面白みを感じて、地質を職業にしたいと就職活動を始めました。触れることのできるデータ量が膨大であることから石油・天然ガス業界を志し、更に地球上の様々な地域の地質について検討するチャンスが多いと考え、INPEXに入社しました。

写真2

開発の要となる「地質モデリング」と
「地質スタディ」。

私は現在、パース事務所にて地質技術者として、イクシスLNGプロジェクトに携わっています。
主な業務は「地質モデリング」と「地質スタディ」の2つです。「地質モデリング」とは、地震波探査データや坑井データを使って、ターゲットである地下の地質状態を表現した3D数値モデルを作成し、そこに内在する不確実性を評価していく作業です。「地質モデリング」のインプットデータの作成には様々な分野のチームメンバーが携わっています。私たちは、彼らがデータ処理の過程で用いた手法とその注意点、不確実性を議論・共有した上で、自身の地質解釈をモデルとして再現していきます。しかし地下の地質状態を細かなグリッドで再現しようとすると、非常に大きなサイズのモデルとなり数値計算には適しません。そのため、モデルの解像度を落とし数百メートルの大きさのグリッドでモデルを作成します。このため表現しきれない情報が多くあることを前提として、油ガスの生産性に大きな影響を与え得る指標を導き出し、その不確実性を十分に評価することが重要です。「地質スタディ」とは、貯留岩性状の空間分布を推測するために、地層の埋没史やその過程で起きた続成作用、油ガスが集積するまでのプロセスと貯留岩の関係を検討していきます。このスタディは東京にある当社の技術研究所とパースの研究機関と共同で行い、専門的見地からの分析を進めています。

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見えない地下をモデリングする
難しさの中にあるやりがい。

地下の地質は直接見ることができません。既に開発が進んだフィールドであっても、我々が手にすることができるデータは地下の地質を正確に表現するには十分なものとは到底言えません。そんな中でリアリティのあるモデルの作成やスタディを進めることは非常に難しいですが、とてもやりがいがあるものです。また自分の考えを同じ地質のスタッフだけでなく、他分野のエンジニアや他社のスタッフに対しても説明し納得をしてもらわなくてはなりません。自分と全くバックグラウンドが違う他者との間で考えをすり合わせていく作業は難しいですが、その分やりがいも大きいです。

写真4

解釈のスケール感に注意し、
何がわかっていないかを見極める。

私たち地質技術者が調査できる範囲に対して検討対象である地球はあまりにも巨大なため、解釈を進めるには手元のデータと地球のスケールとのギャップに注意する必要があります。大学時代、野外調査がデータ取得の手段だった私は、実際に取得してきたデータを眺めながらしばしばそのギャップに悩みました。INPEXに入社し実際に手にすることができるようになったデータの量は、大学での研究に比べてもかなり膨大。それでも地下を実際に目で見て触れることができないので、データ量が十分とは到底言えません。今手元にあるデータからどこまでのことが言えるのか、解釈のスケール感に注意を払いつつ、何がわかっていて何がわかっていないのかを見極め、それをチーム内で共有していくことが重要だと考えています。

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地質技術者としてのスキルを向上。

石油・天然ガス開発業界において、地質技術者は、調査や研究色の強い業務から実際のプロジェクトの探鉱・開発段階まで幅広く携わることができます。私はこれまでの業務経験から、プロジェクトの評価段階から開発段階に係る仕事に大きな魅力を感じています。
ある坑井で油ガスを確認できたとしても、それがすぐに会社の利益となるわけではありません。その後の精緻な評価作業・開発作業を経て生産にこぎつけ、生産物を販売することではじめて利益を生み出します。したがって、評価・開発段階で十分に不確実性を評価し、地質に関わるリスクを最小化する手立てを考え実行していくことは将来のプロジェクト運営・収益に大きく関わってきます。地質技術者として、プロジェクトの地下の不確実性に関わるリスク最小化に貢献するためにも、様々な油ガス田の評価・開発に携わり、多くのフィールドの事例を学びスキルを向上させていきたいです。

休日の過ごし方

パースはとても自然豊かでのんびりした場所です。市内には大きな公園も複数あり、車で30分ほど走ればきれいな海にも行けます。気分転換をしたいときは近くの公園や丘でランニングをしたり、海に釣りに出かけたりしています。またパースの家は日本に比べキッチンが広いのでじっくり料理ができます。休日に料理することも良い気分転換の1つです。

ある一日のスケジュール

  • 08:00

    出社後、メールチェック。

  • 09:00

    上司と相談しつつ、現在進行中の地質スタディについてデータ解釈・検討を進める。

  • 13:00

    進行中の分析について外部研究機関と連絡。

  • 14:00

    スタディに使用する坑井データについて担当スタッフに相談。

  • 15:00

    再度地質スタディについて解釈・検討を進める。

  • 19:00

    業務を終え、帰宅。