先輩社員インタビュー
アブダビに駐在し、
原油出荷のコントロールを
一手に担う。
小島 正人
2003年入社 ユ-ラシア・中東・アフリカ事業本部
営業(原油営業・アブダビ駐在)
※所属部署・内容などは取材当時のものです。
先輩社員インタビュー
小島 正人
2003年入社 ユ-ラシア・中東・※所属部署・内容などは取材当時のものです。
私は現在、アラブ首長国連邦のアブダビに駐在しています。アブダビ沖にはINPEXが権益を持ち、すでに長年に渡って原油の生産を続けている油田がいくつかあります。私の役割は、それら油田から生産される原油を、需要家からの出荷に関する要望を受けたのち、ターミナルの現場担当者と密に連絡を取りながら、石油タンカーに的確に船積みして送り出すといった一連の原油出荷に係る計画を立案し実行していくことです。
日本人スタッフは私1人。出荷のコントロールはすべて私が責任を持って担っていくという、非常に重要なポジションを務めています。アブダビに駐在してからは、洋上の生産や積出しターミナルでの現場の業務も肌で経験。それまで出荷業務を頭では理解しているつもりでしたが、まさに「百聞は一見にしかず」で、リアルな現場を体験することで知識が一気に深まり、質の高い業務ができるようになったと感じています。
アブダビに駐在するまでの10年弱、私は国内でお客様への原油の販売と、販売する原油の引き渡しのための出荷オペレーション(船積と出荷のスケジュール調整)を担当していました。もともと私は「海外のプロジェクト現場に直接関わりたい」という思いからINPEXを選びましたが、配属された部署は基本的に国内本社をベースとして仕事をする部署であり、入社当時の希望とは合致しませんでした。しかし振り返ると、10年弱その部署で原油の販売と出荷オペレーションに携わったことは、私にとって本当に良い経験になったと感じています。それが私の強みになって、ようやく念願が叶い、いまこうして海外のプロジェクトの現場に立つことができている。どんな希望を持って入社しても、INPEXで得られる経験に無駄はないと思いますし、これから入社されるみなさんもそうした意識を持ってほしいですね。
アブダビでの原油の出荷業務は、何事もなく平穏に進めるのが第一です。しかし、予想だにしないトラブルが襲ってくることもしばしばあります。例えば、アブダビは冬になると荒天になることが多く、そのためタンカーへの積み込みができなくなり、最悪の場合生産を中断せざるを得ないことも。このプロジェクトからは1日あたり数十億円相当の原油が生産されており、それがストップすると経済的なロスも甚大になります。事前に天候、タンカーの到着見通し、ターミナル在庫予測などをシュミレーションし、どのような出荷計画を立てればそのリスクを最小限に留められるか、私の手腕が問われます。また、現場は24時間体制で操業しているため、何か問題が生じて生産、出荷に支障をきたすと、昼夜を問わず私のもとに連絡が入り、すぐに対応しなければなりません。背負っているものが大きいため一時も緊張感から解放されない業務ですが、それでも私の仕事が日本への安定的なエネルギー供給の一端を担っていると思うと、大きな意義を感じます。
現地では、アラブ首長国連邦のほか多様な国籍の従業員が働いていますが、そのうち日本人はごくわずかです。その中で力を最大限に発揮するには、自らを周囲に認めてもらい、組織に対してポジティブに貢献していくことが大切です。そのための心がけとして、まず自分の存在価値は何か、どのようにして最大限に組織へ貢献できるかを常に考えたうえで、自ら率先して行動します。これを心がけるようになってからは、私が依頼した業務を、周囲の同僚が快く引き受けてくれる場面が多くなりました。アブダビに来てからは、「率先垂範」「傾聴」「感謝」の重要性を日本にいたとき以上に実感するようになりました。
担当する出荷業務は、プロジェクト全体の動きを俯瞰しながら、一方で、生産現場で何が起こるのかを想定しつつ計画を立てていくという、いわば「森」と「木」の両方を見て仕事を進める姿勢が求められます。私自身、それが本当にできているかと言えば、まだまだ力が足りないところもあります。
外国人に囲まれたアブダビのオフィスで、自らは日本人として原油生産プロジェクトに欠かせないプレイヤーとしての存在感を示し、どんな局面にも対応できるようなプロフェッショナルになることが、いまの私の短期的な目標です。これまでのキャリアでは、原油供給におけるサプライチェーンの上流から下流に至る経験とナレッジを一貫して身につけることができました。その経験を活かして、今後も日本や世界へのエネルギーの安定供給を、さらに確かなものにしていきたいと思います。
INPEXは、キャリアに関わらず個人に大きな仕事を委ねてくれる会社です。ときには大きなプレッシャーを感じることもありますが、それを乗り越えていくことで大きく成長させてもらえる舞台があります。もし皆さんが、将来INPEXで自分がなりたい姿のイメージを持っていれば、私自身もそうであったように、それに近いレベルにまで必ず到達できると思います。意欲ある皆さんには是非INPEXの門を叩いてほしいです。
現地の方が、「家族主義的」であることもあるので、休日は同僚と家族ぐるみのお付き合いをすることも多いです。同僚の自宅に招かれてお茶やお食事をご馳走になったり、季節が良いときは砂漠へ一緒にキャンプへ出かけたりすることもあります。
日本とは異なり、現地では良く知らない相手には簡単に心を開かない事もあるので、休日でも積極的に交流し、互いに深く知ることで、仕事上でも密なコミュニケーションが取れるよう心がけています。
出社後、前日24時間の原油生産と出荷の状況を現場に確認。
確認後、すぐに社内ならびにステークホルダー向けの各種レポートの作成に着手。
レポートの発信。
生産部門と月間生産計画の打ち合わせ。
日中いっぱいは、出荷現場とステークホルダーの間で船積みに関するコーディネーション業務を進める。
新規プロジェクトにかかる法務文書の作成。法務およびプロジェクト部門と調整を進める。
業務を終え、帰宅。(帰宅後もトラブル発生の際には、休日、昼夜を問わず24時間対応が必要)