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先輩社員インタビュー

資源開発の流れの
どの場面で働くか?

佐々木 岳

2005年入社 オセアニア事業本部
イクシスユニット(パース駐在)
専門分野:油層
専攻:資源工学

※所属部署・内容などは取材当時のものです。

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油層

大学では環境資源工学を専攻していました。就職活動では、総合商社やメーカーも受けましたが、石油・天然ガス開発に関わるINPEXに興味を持ちました。INPEXは総合商社や各メーカーの中で位置づけると、たとえるなら「農業(農家)」に近いポジションだと思います。メーカーは田畑を耕し作物を収穫するための道具を作り、石油・天然ガス開発会社はそれらの道具を使って作物(エネルギー)を生産し、総合商社はその作物を流通させます。また、同じ石油・天然ガス開発に関わる仕事でも、どの場面にどのように携わるかでそのやりがいは異なります。INPEXが担う仕事の中でこそ、大学時代に学んできたことが活かせそうだと感じたこと、そして世界の見知らぬ土地へ行ってみたいという好奇心から、私はINPEXに入社しました。

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世界各地のプロジェクトを通じ、
様々な業務を経験。

入社後は、国内で実施される研修を受けた後、オーストラリア、中東、アフリカと、様々な地をかけ回りました。油層エンジニアは、地下深くの貯留層における油やガスの流れを専門に扱っています。探鉱段階であれば油層評価、油やガスを発見すれば開発計画の策定、生産を開始すれば油層の管理を通じた回収量の最大化など、プロジェクトの段階によって油層エンジニアは様々な仕事を担うことになります。また、油層シミュレーションスタディなどのデスクワークの他にも、油層評価のために掘削・生産現場での業務に従事することもあります。

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成功の鍵は、
すべての専門家を適切に巻き込むこと。

現在はオーストラリアのパース事務所に駐在しています。パース事務所では主に生産井のプランニング作業に油層エンジニアの立場として携わっています。具体的には、坑井掘削後の仕上げ判断のためのクライテリアの策定、フローバック作業のダイナミックシミュレーション、フローテスト及び流体サンプリングの計画策定などです。
入社して10年目になりますが、日々の業務は常に新鮮です。同じ油層という専門分野でも、プロジェクトの段階や所属する組織によって作業内容が異なるため、過去に経験のある作業を単純に繰り返すということはほとんどありません。イクシスLNGプロジェクトのような大規模ガス田の開発段階に携わるのは初めてのことなので、初挑戦の業務も多く、どのように取り組めば良いのかわからず戸惑うことも多々あります。しかし困ったときには、まずは与えられた課題の背景を確実に理解し、作業手順について考え、関係者たちと議論を尽くし、技術的・実践的に最適な答えを導くという基本を忘れないよう心がけています。
私の所属するサブサーフェスチームにとって、2015年は大切な1年です。なぜなら、生産井を掘ることでイクシスガス・コンデンセート田の油層性状を確認し、今まで実施してきた油層解釈の答え合わせをすることになるからです。不確実性は小さくなく不安も大きいですが、いよいよ生産井の掘削が開始したので、今は自身の担当作業の準備を万全にすることに集中しています。
これまでのパース事務所での業務を振り返ってみると、一番苦労したのはスムーズに業務を進めるための人間関係を構築することでした。イクシスほどの大型LNGプロジェクトとなると職の専門化が進んでおり、それぞれの業務の守備範囲が明確に規定されています。私はサブサーフェスチームに所属する油層エンジニアですので、基本的には地下の貯留層内の流体挙動に関する業務を担当することになります。ただ、生産井の準備という作業の性質上、実際には油層エンジニアよりも生産エンジニアに近い業務内容でした。パース所内では、経験豊富で優秀な生産エンジニアがいたのですが、なかなか近寄りがたく、最初は良好な人間関係が築けませんでした。とはいえ、業務を進めるにあたり彼等の専門的なアドバイスは必須でしたので、冷たくあしらわれても粘り強く相談したり、時には雑談を交えるなどして徐々に認めてもらえるようになりました。大規模なプロジェクトということもあり専門性がより詳細に規定されている組織の中で、さまざまな専門家たちを適切に業務に巻き込むことの大切さが勉強になりました。

写真4

プロジェクト全体を俯瞰出来る
エンジニアを目指して。

INPEXの技術職は、専門性を極めるタイプとプロジェクト全体を見渡すタイプの大きく2つの成長の方向性があります。私自身は、これまでの業務を通して、コツコツと研究に没頭するよりも、大勢の仲間に囲まれているほうが性に合うことに気づき、一定の専門性を身に付けた後、後者を目指したいと考えるようになりました。そこには、数字があまり得意ではないのにエンジニアをしているという裏事情だけでなく、多くの人と協力しながらプロジェクトを前に進めていくという石油・天然ガス開発の醍醐味を味わいたいという想いがあります。みなさんも人が好きで、苛酷な環境にも物怖じしないタイプであるなら、ぜひこのチャレンジングな石油・天然ガス開発業界に飛び込んできてほしいと思います。

ある一日のスケジュール

  • 07:00

    担当ガス田のIAM(Integrated Asset Model - 油層から生産施設をカバーした統合モデル)の構築を進める。

  • 10:00

    生産井掘削準備の一環で、坑井の生産性の分析を実施。午後のミーティングのため計算結果をまとめてスライドを準備。

  • 13:30

    チームミーティング。分析結果の報告、上司・同僚からのアドバイスを得て、今後の方針の確認。

  • 15:30

    ミーティング後に同僚と分析手法について議論。

  • 16:30

    引き続きIAMの構築を進める。

  • 18:00

    帰宅。