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先輩社員インタビュー

相手は、「地球」。

鈴木 憲一

2007年入社 ユ-ラシア・中東・
アフリカ事業本部(ロンドン駐在)
専門分野:物理探査
専攻:土木・建築系

※所属部署・内容などは取材当時のものです。

写真1
物理探査

物理探査の仕事は、例えば、CTスキャンを用いて体の断面図を撮り、病巣を「見える化」していく仕事に近いものがあります。ただ、私たちの活動場所は、砂漠、ジャングル、海上であり、ワークステーションの前です。物理探査といっても様々な方法があるのですが、一般的には「反射法地震探査法」と呼ばれる手法を用います。地表で人工的な弾性波を起こし、その弾性波が地中を伝わり、地下の物性境界面から跳ね返ってくる波動を計測し、地下の断面図を作成する。この断面図をもとに解釈がなされ、石油やガスが集積しやすい構造を特定し「ここに掘ろう」という意志決定がなされるわけですから、物理探査が担う役割は非常に重たいものがあります。

写真2

数億年前の地層の境界に目をこらす。

石油・天然ガスが貯まりやすいのは、砂岩や炭酸塩岩などの粒子と粒子のすき間部分で、このすき間の多い岩石を「貯留岩」と呼びます。ただし、石油・天然ガスが一定量貯まるには、その上に「帽岩」と呼ばれる粒子間のすき間の少ない地層が重なる必要があります。石油・天然ガスは密度が比較的小さい流体であるため、浮力で上へ上がろうとする性質があり、これを封じ込める地層が必要だからです。このような地層の存在やその広がりを見極めるために地下の断面図を解釈し、マッピングしていくことが必要なのですが、いわゆる石油・天然ガスが集積しやすいポイントは既に掘り尽くされていることが多く、今後は今まで以上にデータ解釈に経験と想像力が求められます。責任は重大ですが、日々、地球の歴史と向き合う醍醐味があります。

写真3

フロンティア領域でプロジェクトを興したい。

私が現在赴任しているロンドンには、多くの石油開発会社や作業を請け負うサービスカンパニーの事務所があり、そのため石油関係のカンファレンスやセミナーなどのイベントも頻繁に開催されています。ロンドン事務所での私の業務は主にヨーロッパおよびアフリカ地域の新規探鉱になりますが、情報収集を目的にそのようなイベントに参加することがあります。ある大きなカンファレンスに参加したときのこと、会場内を歩いていると懐かしい人々に再会したのです。それは、過去に海外に出張した際に知り合った人々で、6年前にマレーシアで知り合ったマレーシア人、5年前にオーストラリアで知り合ったシンガポール人、そして、4年前にインドネシアのジャングルで一緒に現場作業をしたフランス人でした。フランス人はお互いの作業着姿しか知らないので、お互いにスーツ姿で再会したときには驚きと感動がありました。こんなにもグローバルな業界は、他にはなかなかないでしょうね。

写真4

就職本に頼るな。
人類の未知をゆく仕事なのだから。

入社2年目にアフリカのある国で実地研修に参加したときのこと、現地の人を中心とする外国人300名に対し、日本人は私1人でした。連日気温は50度、生活用水が3日ほど滞ることもありましたが、そんな困難も今振り返ればよい経験です。砂漠で現地の方と夜通し語り合ったこと、現地の歌を教えてもらったこと、そのすべてが私の血となり肉となっています。
学生のみなさん、就職本なんかに頼らずに、等身大の自分でINPEXに来てください。なぜなら私たちは道なき道を突き進む「EARTH SCALE CHALLENGERS」なのですから!

休日の過ごし方

1歳になったばかりの娘がいるので、天気が良い日には自宅から徒歩圏内にあるロンドン最大の公園(広さ東京ドーム68個分!)へ家族揃って散歩に出かけています。雨の日には、積み木やクレヨンで遊んだり、絵本を読んだり、幼児向けのテレビ番組を観たりして過ごしています。
こちらのアニメは、私と妻の英語の勉強にも一役買っていて、家族3人で真剣に見入っています。まとまった休日が取れた際には、小旅行に出かけます。先日は、ユーロスターに乗ってベルギーに旅行しました。ヨーロッパの国々に簡単に旅行できるのもロンドンの良いところですね。

ある一日のスケジュール

  • 07:00

    出社後、メールチェック(日本と時差があるため、朝から多くのメールを受信している)。

  • 08:00

    所内スタディ。ワークステーションの前で、データ解釈作業に従事。

  • 10:00

    探鉱チームで打ち合わせ。現在進行中の所内スタディの進捗を確認。

  • 14:00

    別件でパートナー企業とビデオ会議。会議の内容を報告書にまとめ、関係者に配信。

  • 15:00

    業務に必要な技術情報を得るべく、論文検索。

  • 18:00

    業務を終え、帰宅。