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先輩社員インタビュー

地層の中を石油は動く。
そこに面白みがある。

遠竹 行次

2005年入社 技術本部(英国アバディーン大学 留学)
専門分野:地質
専攻:地球科学

※所属部署・内容などは取材当時のものです。

写真1
地質

学生時代は構造地質学を専攻し、地表の調査をもとに、地下構造を推測することが研究テーマでした。フィールドワークとして1人で道なき道を行き、自分の調査の結果が地図となっていく。そこに面白さを感じて、地質という職種に限定した就職活動を進めていました。実はINPEXとは別に、ある金属資源会社からも内定をもらっていました。金属資源というものは、資源の生成場が埋蔵されている場所とほぼ一致するのに対して、石油や天然ガスは浮力によって地下を移動するため、出来た場所と溜まっている場所が変わってきます。“動く資源”を追い求める石油・天然ガスの探鉱・開発。確かな技術と想像力が求められる壮大な仕事と感じ、たちまち魅了されました。その想いがINPEXへの入社の決め手となりました。

写真2

人類が誕生する前の、
地球の様子を眺めながら。

地質技術者は、物理探査によって取得したデータをもとに、専用のソフトウェアを用いて地下の様子を三次元的に可視化していきます。それは人類が誕生するよりも前の世界。その中で、砂の粒子の大きさや揃い方、形状などを調査し、油ガスが存在しているかどうかを推測していきます。このような評価作業をするために必要となるデータを取得するだけで、何億から何十億円もの費用がかかります。仕事を通して、地球のことを広く深く知ることができる。地球を相手に仕事がしたいと考える人にとって、INPEXは最高の環境があると思います。

写真3

本州の面積にも匹敵するエリアから、
有望な地域を見つけ出す。

私は、インドネシア東部の新規プロジェクトに発足段階から関わってきました。対象となるのは日本列島の本州が丸ごと入るぐらいの広大なエリアでしたが、そのエリアの鉱区取得前の事前調査を担当しました。自社データに加えて、公表論文や海外の研究機関から集めた情報をもとに、油ガスが存在する可能性の高いエリアを絞り込んでいきます。その作業を繰り返し、最終的には対象エリア面積を当初に比べ10分の1ほどの大きさにします。 その後、度重なる検討とインドネシア政府との交渉を経て、ついには絞り込んだ地域を当社が鉱区として正式に取得することに成功しました。しかし、まだゴールではありません。これからは、私たちが有望と判断した鉱区に、実際に油ガスが存在するのかを確かめていく緊張感のある作業が待っているのです。

写真4

プレッシャーを乗り越えた、
インドネシア政府へのプレゼンテーション。

新規プロジェクトにおいて、今でも心に焼きついていることがあります。それは、鉱区取得に向けたインドネシア政府へのプレゼンテーションです。それまでの評価結果をもとに、いかにその地域が鉱区として有望であるかを伝えなければならず、かなり力が入りました。しかも、交渉相手はインドネシアのエネルギー省のマネジメントレベルの面々。このプレゼンに行き着くまでに様々な人たちが関わり、全員で苦労をともにしてきました。その想いを考えると失敗は許されません。そのようなプレッシャーを心の中で感じながら、情熱と自信をもって、論理的に説明を行うことを心がけました。その後、INPEXが鉱区を取得できたという連絡を受けたときは大きなやりがいを感じましたね。

写真5

構造地質学を深めるために、
社内の海外留学制度で石油の街へ留学。

プロジェクトに関わり、業務を通じて技術資料や知見に触れるたびに、それらの情報を活用して、自分のバックグラウンドでもある構造地質学について腰を据えて検討したいと感じていました。また、社内外で博士号をもつ技術者と議論する際に、彼らの知識量や発想力に感銘を受けることがあり、私も彼らのようになりたいという憧れを持つようになりました。そうした漠然とした想いが、自分の中で具体的な“目標”として形づいてきた頃、折しも社内に海外留学制度が制定され、考えた末に同制度を利用して博士号を取るべく英国アバディーン大学に留学することにしました。
現在、大学では、深海域の変形地質構造の発達機構と石油探鉱への応用について研究しています。石油の街と呼ばれるアバディーンだけあって、石油の探鉱・開発に関係する研究が盛んに進められており、自分の研究の幅や知見を広げることができる刺激的な環境であると感じています。毎週行う指導教官とのミーティングは、準備や早口の英語についていくのが大変ですが、単なる進捗報告に留まらず多くのアイデアが飛び交う有意義な時間のため、毎回楽しみにしています。

写真6

世界で名を知られる技術者を目指して。

直近の目標は、無事に博士号コースを修了して帰任することです。その後は、留学中に得た知見やネットワークをフルに活用して、会社の探鉱・開発部門に貢献したいと考えています。貢献の形は様々でしょうが、例えば、自身の検討や業務サポートを通じて会社の探鉱成績を向上させる、社内セミナーを開催して構造地質に関する社内の技術水準を向上させるようなことができるとうれしいです。
また、おこがましいことかもしれませんが、将来的には世界で名を知られる技術者になりたいと思っています。

休日の過ごし方

平日は研究のために机に向かっていることが多いので、休日はできるだけ体を動かしてリフレッシュするようにしています。1時間程度のジョギングは週末の日課になっています。また、月1、2回程度は、日本人駐在員の方たちと集まってフットサルを楽しんでいます。

ある一日のスケジュール

  • 08:30

    登校、メールチェック。

  • 09:00

    公表論文をチェックし、研究に関連する論文をレビューする。

  • 10:00

    地震探査データの解釈と構造モデルの評価を進める。

  • 14:00

    指導教官との研究進捗会議。研究進捗と今後の計画を報告する。

  • 15:00

    論文執筆作業を進める。

  • 18:00

    1日の作業をまとめ、帰宅。