先輩社員インタビュー
最上流で、
ものづくりを
しませんか。
寺嶋 健
2005年入社 アジア事業本部マセラユニット(ジャカルタ駐在)
専門分野:施設
専攻:その他工学
※所属部署・内容などは取材当時のものです。

先輩社員インタビュー
寺嶋 健
2005年入社 アジア事業本部※所属部署・内容などは取材当時のものです。
オペレーターを担うINPEXとエンジニアリング会社の「施設職」の違いは、「つくる」という意味に含まれる領域です。私たちエネルギー開発会社は、ものづくりの最上流工程に位置します。開発対象油ガス田の能力、周囲の環境、技術的なリスク、プロジェクトの経済性を加味しながら、最適な開発コンセプトを選定、その開発コンセプトに必要となるプラントの機能・能力などの設計条件(スペック)を決定します。そして、決定した設計条件を叩き台として、エンジニアリング会社の協力のもと、設計作業を進めていきます。INPEXが決めた設計条件次第では、プラントの生産量やさらには会社の売上高も変わってしまう。私たちの「設計」は、会社の未来の設計に影響を与える重要な役割を担っているのです。
現在は、インドネシアの大型LNGプロジェクトであるアバディプロジェクトにおいて、Floating LNGの船体設計を行っています。Floating LNGとは、洋上で天然ガスを生産・液化・貯蔵・出荷する浮体設備で、分かりやすくいえば、プラントを搭載した巨大な船。この船の構造や、船の中に設置される機器やタンクの設計が私の担当業務になります。
船体設計で鍵となるのは、プラント全体の重量分布です。それは、重量分布によって船の安定性(船の転覆のしにくさ)や、船体の動揺(揺れ)、プラントを支える船体にかかる力が決まるためです。さらに、動揺はFloating LNGに付随するすべての機器・構造に影響します。その一方でプラント全体の重量分布は日々の設計作業の中で変化していく。その変化に対応するために、あらかじめ余裕を持った重量分布及び動揺を見込んでおくことが必要ですが、余裕を持ちすぎると過剰な設計となり費用の高いプラントとなってしまいます。
将来起こりうる変化や、付随するコストなど様々な要素を考慮しながら適切な重量分布と船体動揺を設定することが、ベストなプラントを設計する上で必要不可欠なのです。
入社2年目に、国内の海上ガス生産基地で操業管理の仕事をする機会がありました。ちょうど海上勤務をしていたとき、基地操業開始以来最大の低気圧に遭遇したのです。海は荒れ、風速は秒速30メートル超となり、ヘリコプターも船も近づけず、私たちが日々相手にしている自然の恐ろしさを感じた瞬間でした。
私たちはそのような悪天候の中でも、プラントを見回らなければいけない大事な責務があります。自然が持つ厳しさを直接肌で感じることができたことは、現在洋上施設の設計を進めるうえで、良い経験になったと思います。
日本とは環境が異なる海外のプロジェクトに携わっていると、経験したことがない問題に直面することがあります。
石油・天然ガス開発では環境に配慮しながらプロジェクトを進めることも非常に重要です。以前関わっていた海外プロジェクトでは、プラント建設を検討している地域にウミガメが生息することが判明し、プラントがウミガメに与える影響を評価するために、ウミガメの生態を調べていた時期もありました。このような予期せぬ問題に立ち向かう中で、新しい知識や経験が得られることも、海外を舞台にした石油・天然ガス開発の仕事の醍醐味です。
当面の目標は今携わっているアバディプロジェクトで、安全かつ要求性能を満たす設備設計を全うし、その設備の完工、生産開始まで見届けることです。将来的には専門とする船体設計を軸に対応できる分野の幅を広げ(安全設計、土木設計など)、幅広くプロジェクトに貢献できる人材となることを目指していきたいと考えています。
休日は家族と過ごしています。天気が良い日には子供たちと公園、植物園、動物園などに行ったりすることもあります。ジャカルタは、高層ビルやショッピングモールが立ち並ぶシティエリアもありつつ、少し郊外に足をのばすと豊かな自然に触れられるのが魅力です。最近気になっているのは、その場で試食もできるというドリアン農園。近々、足を運ぼうと思っています。
出社後、メールチェック。
部下の業務進捗を確認。
担当している設計書に問題点を発見。上司に報告。
問題点の対応についてチーム内で検討。
設計業者とビデオ会議。設計書の問題点を指摘し、対応策を提案。
業務を終え、帰宅。