先輩社員インタビュー
掘削って何?
なんか分からんけど
面白そう!
矢内 貴士
2014年入社 技術本部評価技術ユニット 掘削グループ
専門分野:掘削
専攻:機械系
※所属部署・内容などは取材当時のものです。
先輩社員インタビュー
矢内 貴士
2014年入社 技術本部※所属部署・内容などは取材当時のものです。
掘削エンジニアという職種を知ったのは偶然でした。もともと、大学院で環境科学を専攻し、機械工学の知識をもとに風車発電を研究していたこともあり、技術職を募集しているエネルギー会社やプラントエンジニアリング会社、船舶会社などを探していました。就職活動セミナーに参加した際も、当初は大手メーカーなど名の知れた企業のブースを中心に回っていたのですが、あるときふと、全く自分の聞いたことのない社名の会社ブースに行ってみようと思考を変えました。そういうところにこそ、未知の面白い仕事があると思ったからです。そこで知ったのが、INPEXの掘削エンジニアという仕事。「井戸を掘るって何だ?どうやるんだ?」という素朴な疑問から始まり、海の上の何もないところから井戸を掘っていくという現場の話を聞けば聞くほど、「なんか分からんけど、楽しそうだ!」と感じ、一気に惹かれていったんです。掘削の専門知識はありませんでしたが、「入社してから勉強すれば大丈夫。」という先輩社員の言葉に後押しされ、迷わず入社を決めました。
入社後はまず数週間の新入社員集合研修を受講し、その後4カ月間は、技術総合職新入社員を対象とした研修があります。ここでは専門分野毎に分かれ、座学での技術講習が中心となります。学生時代に勉強した内容ではなく専門外だったので、ついていくのが精一杯でしたが、石油・天然ガス事業について勉強するのは新鮮で楽しかったですね。現在の所属先に配属された後は、掘削エンジニアとして必要な国際資格を取得するための研修が始まります。印象深かったのは、ヘリコプターに搭乗するための安全訓練(BOSIET)の受講です。掘削エンジニアになると、海上リグ(掘削装置)にはヘリコプターで行き来することになるので、こうした安全訓練の受講が必須です。北九州の施設で、墜落時に脱出するための訓練や救命講習などを受けました。訓練の一つとして、勢いよくシミュレーターとともに水中に落とされるという、生まれて初めての経験もしました。他にも、WellCapという、井戸を安全に掘削するための資格を取得しました。
その後は、まずは現場を知るために、北海道と秋田の地熱開発の現場に3カ月、マレーシアの海上試掘現場に1カ月、新潟のガス田に1カ月と、現場研修が続きました。地熱開発では、地下2,000mの井戸を掘る様子を見学。また、マレーシアでの現場研修では海上リグのスケール感に圧倒され、「これを動かしていかなければならないんだ。」というプレッシャーに押しつぶされそうにもなりました。こうして様々な現場を経ながら、「自分だったらこう掘ってみたい。」と想像がふくらみ、掘削エンジニアとしての将来像が次第に思い描けるようになっていきました。現場研修中は、様々な機材の名前を覚えたり、使用方法や作業手順などを何度も確認したりするほか、機材手配の確認や、いろいろな計算をして作業が順調に進んでいるかを確認するという作業も学びます。現場は、24時間休むことなく動いているので、トラブルや特殊な作業がある場合は、夜間も現場に張り付くことがありました。自分の出した計算結果や計測結果に基づいて作業が行われたりすると、少しでもプロジェクトに貢献できたという喜びを感じることができました。
これまでで最も印象に残っているのは、前述したマレーシアの海上掘削リグでの研修です。ヘリコプターに乗って、陸地から150kmも離れた海上リグに行き、そこで生活しながら水深1,000m以上もある井戸を掘るという、学生時代には想像もしなかった世界です。海上リグでの生活は心地よいものでしたが、リグに乗っていた約150人の現場作業員うち日本人は3人ほどしかおらず、様々な国籍の人が入り混じった、まさに異文化の現場。コミュニケーションには苦労しましたが、この体験を通じて、自身がどのようなスケールの業界にいるのかを再認識できたと同時に、いつかはこうした多国籍の人たちを相手にリーダーシップを発揮する立場になるのだという自覚を持つことができました。また、国内の現場で味わった一体感も忘れられません。作業がうまく終わり、現場の人たちと一緒に喜び合ったときの感動は、言葉にできないほどでした。
間もなく入社して2年目に入りますが、この先、自分に任せてもらえる仕事の範囲が広がっていきます。楽しみである反面、自分にできるだろうかという不安も感じます。しかし、現場に出れば経験は必ずついてくると信じています。様々な現場での研修を経験した今、改めて思うのは「井戸は生きものだ。」ということ。トラブルがつきもので、思いどおりに進まないことが多い掘削の現場において、力になるのは知識と経験だと思います。まずは、しっかり現場で勉強し、知識と経験を積み上げて、一人前の掘削エンジニアになるのが第一の目標。機会があれば、イクシスLNGプロジェクトの現場も経験してみたいですね。そして将来は、自分で設計した井戸を掘ることが夢です。井戸を1本掘るには莫大な費用がかかります。
安全な井戸を安く作り上げたい。その夢に向かって、現場での学びを続けます。
学生時代から続けてきたテニスでリフレッシュしています。最近は頻度がめっきり減りましたが、出張先にもラケットを持参して、できる限りテニスに時間を割いています。会社のテニス部にも積極的に顔を出してテニスを楽しんでいます。
起床、メールチェック、作業状況確認。
ミーティング。
現場の状況を確認し、現場を管轄する現地事務所とのミーティング資料を作成。
現地事務所とのミーティング。
作業の進捗状況の確認、次の作業の準備、現地事務所への報告資料作成。
業務終了。のんびり食事をとり、映画を見たりネットサーフィンをしたりしてリフレッシュ。
就寝。
~海洋リグでの生活~ ※部屋から職場まで徒歩30秒