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プロジェクト対談 / 低炭素化ソリューション:水素・CCS事業

2050年の
ネットゼロカーボン社会
実現に向けて

  • 本宮 圭悟
    もとみや けいご

    2020年 新卒入社 低炭素ソリューション事業本部
    事業企画ユニット

  • 清瀬 あずさ
    きよせ あずさ

    2020年 新卒入社 低炭素ソリューション事業本部
    事業企画ユニット

  • 大森 健太郎
    おおもり けんたろう

    2020年 新卒入社 低炭素ソリューション事業本部
    事業企画ユニット

※所属部署・内容などは取材当時のものです。

プロジェクト概要

主軸事業である石油・天然ガス事業に加え、2050年のネットゼロカーボン社会の実現に向けた各事業の開発・展開も積極的に推し進めているINPEX。特にネットゼロカーボン社会実現のカギを握る「水素・アンモニア事業」「CCS事業」において、信頼される主要プレイヤーとしての地位の確保を目指し、実装に向けた作業・技術開発を推進しています。
今回は、「低炭素ソリューション事業本部」にて活躍する同期入社の技術総合職・ビジネス総合職若手社員3名に集まってもらい、印象に残っているプロジェクトや技術総合職・ビジネス総合職の協働の仕方、低炭素化ソリューションに携わる想いなどについて話を聞きました。
※CCS:Carbon dioxide Capture and Storage(CO2の回収・貯留)

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低炭素化ソリューションの
提供プロセス確立を目指して。

  • 私たちの所属する低炭素ソリューション事業本部は、INPEXの中では比較的新しい部署です。その誕生の背景には、日本政府が2020年に発表した「2050年カーボンニュートラル社会実現」の表明がありました。表明以前より、INPEXは常に環境保全を念頭において事業活動を進めていましたが、エネルギー業界のリーディングカンパニーとして、これを機にさらなる低炭素化ソリューションを含むエネルギー構造の変革にも取り組む必要があると考えたのです。
  • その中でも、私たちは低炭素化社会の実現に貢献すべく、“2035年時点で原単価60%低減、2050年時点で絶対量ネットゼロ”を当社事業の目標として掲げています。
  • 世界全体の平均気温の上昇を抑える目標を定めたパリ協定に則して気候変動対応目標を設定し、低炭素化ソリューションに関する事業開発・技術開発を積極的に推し進めている真っ最中と言えますね。
  • 水素・CCSプロジェクトは事業化までに時間がかかる上に、収益化も難しいことから、どの案件もコストや技術面、規制や需要など多くの課題があり、一筋縄では行かないですよね。だからこそ、携わる全員が、足元の短期的な目標ではなく、長期的な目線で日々の業務に取り組んでいる点が大きな特徴であり、またこの仕事に携わる面白さでもあると私は思っています。
  • 事業化までの道筋が未開発な低炭素化ソリューションにおいて、その事業化プロセスを確立することは難易度の高いものですが、INPEXが低炭素化ソリューションの主要プレイヤーとしての地位を確保するためには、こういった目標を達成することがまず不可欠ですね。
  • また、INPEXには長年Oil&GasのE&P(Exploration and Production)企業として培ってきた技術に加えて、各国政府や国営・民間企業を含む様々なステークホルダーと築き上げてきた信頼関係もあります。これらを武器に前進していくことで、着実に目標の実現にも近づいていけると信じています。

技術総合職と
ビジネス総合職の協働が、
大きな成果へと繋がった。

  • 私が特に印象に残っているプロジェクトは、2023年12月から約半年間担当した東南アジアにおけるCCSプロジェクトです。特に同プロジェクトに参画する国内外のエネルギー開発企業合同で開催した技術分野のプロジェクト推進手法の検討会議には、とても緊張しながら臨んだことを覚えています。というのも、この検討会議では東南アジア海域におけるCCS実施での有望エリアと開発計画を議論することが目的でしたが、この議論で全社の見解が一致しない場合、清瀬さんたちビジネス総合職の方々が進める契約交渉が遅れ、地震探査データの新規収録が頓挫してしまう可能性もあったからです。
  • そうですね。私たちビジネス総合職の社員はまず、大森さんや本宮さんら技術総合職の方々の作業を遅延なく確実に行えるよう、契約交渉を進めていました。
  • 当時は、私と大森さんが既存の坑井・地震探査データといった地下データを用いたCCS有望エリアの評価を進めていて、清瀬さんはその有望エリアを詳細調査するためのデータ取得の契約交渉などに動いてくれていて、技術総合職とビジネス総合職で協働してプロジェクトを進める形でしたね。
  • 私自身は現地の技術分野の会議には参加していませんが、会議後の報告書を見た際には、非常に充実した内容となったことがわかり、また本宮さんと大森さんのハツラツとした表情の写真を見て、とても嬉しく感じたことを覚えています。特に私にとっては初めて技術総合職の社員の方々と一緒に仕事をする機会でもあったので、最初は技術的な内容の単語などわからないことだらけでしたが、2人が同期だったこともあって気兼ねなく質問でき、色々と教えてもらいながら仕事ができて良かったです。
  • 私たち技術総合職の社員も、清瀬さんをはじめとするビジネス総合職の方々に教えてもらうことはとても多いです。契約交渉などのサポートはもとより、国内外のエネルギー情勢・低炭素社会情勢に関する情報の発信にもとても助けられていますね。詳細調査は非常にタイトなスケジュールの中で技術検討を実施する必要がありましたが、お互いの知見や経験を活かしながら、無事作業を完遂できたことはとても良かったと思っています。同期との協働という点でも、こうして大きな成果に繋げられたことがとても誇らしかったですし、私にとってはこの成功体験があったからこそ、より一層頑張っていこうと思えた案件でもありました。

石油・天然ガスの
プロジェクトで培った基盤のもと、
大きな挑戦ができる環境の魅力。

  • INPEXの一員として水素・CCS事業開発に携わる魅力は、これまで様々なプロジェクトで培ってきた事業・技術基盤のもと、大きな挑戦ができることにあると思っています。当社はネットゼロカーボン社会の実現のため低炭素化ソリューションに力を入れていますが、同時に既存の石油・天然ガス事業の安定操業も行っています。石油・天然ガス事業から安定した収益を長期にわたって得られるからこそ、水素・CCS事業のように、大規模プロジェクトにも挑戦できる。
  • そもそも国内で、ネットゼロカーボン社会の実現に向けて水素・CCS事業を推進している企業自体が数える程度であって、さらに私たちのような若手から携われる機会が圧倒的に多いというのが魅力ですよね。
  • こういった既存事業の確固たる土台があり、かつチャレンジングな風土も兼ね備えた企業は多くはないと思うので、この環境こそが個々人の成長にも繋がっているように思います。
  • これから産業として確立するかもしれない分野に、萌芽の段階から携われるというのは、技術総合職・ビジネス総合職という立場の違いに限らず、ビジネスパーソンとして大いに成長できる環境だと思っています。また、地質、物理探査、掘削、貯留層、生産、施設などの技術分野だけでなく、ビジネス総合職の資金繰りや政府交渉、人事戦略、営業、プロジェクト資機材調達など、様々な分野・領域に精通した社員が同じチームに数多くいる点も成長に繋がる要因ですよね。
  • たしかに、先輩方の存在は、私にとっても大きいです。途方もなく大きなプロジェクトの渦中にいると、時には自身のやるべきことやゴールがわからなくなってしまうこともありますが、そういった時に経験豊富な先輩方が周りにいらっしゃるというのはとても心強いです。
  • 私もそういった方々とチームを組んで新しい事業に挑戦できていること、そして成長を日々実感できていることをとても嬉しく思っています。
  • プロジェクトの多くが長期にわたるからこそ、事業の立案から立ち上げまですべてを見守ることはできないかもしれませんが、自分の仕事が10年~20年後といった未来に繋がっているという確信と信念を持って邁進し続けられる毎日は、きっと自分だけでなく、誰にとってもスリリングで楽しいものだと思います。

未来の仲間たちに向けて。

  • 事業領域を問わず、INPEXには規模の大きいプロジェクトが多いです。個人だけでは成し遂げられないような仕事に取り組む機会が豊富にあり、プロジェクトの成功には、技術総合職やビジネス総合職といった異なる専門性や視点を持つ仲間たちと協力し、社内外の関係者を巻き込みながら進めていく必要があります。それは言い換えれば、他者への理解や協調性が必要になる仕事ということ。こうしたエッセンスを兼ね備えた方であれば、きっと当社でも大いに活躍できると思います。
  • そうですね。入社時には自身の専門分野を軸に志望をする人が多いと思いますが、実際には入社後にその範囲外の業務に関わることも多くあります。当社のビジネスは、自分の専門領域に留まらず、周囲の人々の知識や視点に耳を傾けられる方に向いていると思います。また、学生時代の研究を通じて課題を設定し、その解決に向けて方法を考え、実行した経験がある人は、入社後の業務にもその経験を生かすことができると思います。目的、課題、解決策のフローを整理できる能力は、専門分野を超えて、多くの業務において役立つものだと感じています。
  • さらに加えるなら、当社ではエネルギー分野をはじめとした社会に変化を起こす、技術革新を起こすことに関与するプロジェクトが多いため、向上心や学習意欲も必要になると感じています。特に、水素・CCS事業は多くの要素や課題が絡み合う非常に複雑で難しい分野ですが、技術総合職・ビジネス総合職の立場の違いを越えて、時には企業や国境の違いも越えて多くの人々が協力し合い、プロジェクトを前進させるために日々努力しています。新しい仲間たちと一緒に、ネットゼロカーボン社会の実現に向けて切磋琢磨していけたら、私たちも嬉しいですよね。