現在は財務グループのマネージャーとして主に間接金融(銀行借入)による資金調達を担当しています。
財務グループは最初に配属された部署で、本業である石油・ガス事業の資金調達、特にイクシスLNGプロジェクトでは2012年に当時の世界最大金額と言われるプロジェクトファイナンス(PF)組成に関わりました(※)。貸し手となる金融機関とプロジェクトの間に立って質問や指摘事項への対応に駆け回り、プロジェクトオーナーとして交渉中の借入条件が妥当か否かを日夜議論していました。そこで起こる事柄は猛スピードで自分の前を通り過ぎ、当時は付いていくのもやっとでしたが、幸いにもPF組成後もイクシスに携わることで建設期間中に改めてファイナンスの条件を見返したり、独自に油価やコストをシミュレーションして社内で報告することで自分が関わったファイナンスがどのように運用されているかを学ぶ機会となりました。この経験は後に携わった別のLNGプロジェクト等の資金調達にも大いに役立ちました。
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イクシスLNGプロジェクト
直近では風力・地熱発電などの再生可能エネルギー分野が増えています。21年12月に欧州風力発電案件の取得を発表しましたが、本件は既にPFが組まれている案件の買収で、事業部の依頼を受けて、数か月という非常に限られた時間でPF契約の内容確認や返済確実性の検証を財務グループメンバーとともに実施しました。一般にデューデリジェンスと言われるプロセスの一部に当たりますが、突然やってくる機会に対応できるよう、日ごろからチーム一体となって広く知見・ノウハウ習得に励むことの重要性を感じました。同時に、新分野の権益・会社買収に伴う財務リスクの分析など、単なる資金調達の枠を超えて関連部署と取り組んでいくチャレンジングな機会にも恵まれているとも感じています。