

「今後も世界の石油・天然ガス需要は伸び続ける」。大学時代に専攻していた資源工学の研究を通して、エネルギーの将来的な必要性に確信を持っていた私は、当初より石油開発の世界を志していました。私が就職活動をしていた頃、INPEXはイクシスLNGプロジェクトやアバディLNGプロジェクトの探鉱作業に着手していた時期で、「挑戦する気概」をINPEXに強く感じていました。そのチャレンジングな社風と海外事業に携われる点に魅かれ、油層技術者として入社することを決めました。入社してみると、期待していた通り若手のうちから様々な仕事に挑戦させてくれる風土があり、私も若手の時から、中東のプロジェクトを主担当として任されるなど、責任ある仕事に従事してきました。また、フラットな社風も特徴の一つとして挙げられます。当社は複数の会社が統合して出来た会社であり、社員の出身母体が異なるため、様々な経験、考えや価値観を持った社員が在籍しています。だからこそ経歴にとらわれず、社員それぞれが持っているスキルと人間性で評価される社風があると感じています。


私たち油層技術者は、既に油ガスの胚胎が確認された油層を分析し、生産設備の設計に必要となるデータの収集や開発・生産計画の策定を行います。我々の算出した計画やデータを基に、経済性分析や施設の設計作業が始まるため、油層エンジニアリングはまさに、エネルギーの安定供給という当社の使命を果たすための土台を担っていると言えます。私たちの作業を起点として本格的な開発検討作業が始まるため、大きな責任が伴うことはもちろん、チームとして取り組むことが一層重要となります。入社時より数年間担当していたプロジェクトでは、他社パートナー企業とチームを組み、生産計画を策定した上で、石油メジャーに提示する必要がありました。最初は、チーム内での意思疎通が思うように行かない場面もありましたが、責任を持って開発・生産計画を策定するという想いの下、次第にチームが一丸となり、最終的に皆が納得する計画を作り上げることができました。


油層技術者の仕事の面白さは、開発・生産作業を進めるための「青写真」を自分たちの手で一から作成できることにあります。そして、その「青写真」にこそ、油層技術者のセンスが求められます。私たちは、坑井で取得した油層データを基に油層モデルを構築し、それを用いて開発計画の検討や生産量予測をたてます。しかしながら、坑井で取得される油層データは広範囲に広がる油層のほんの一部分の情報であり、生産量予測には大きな不確実性が伴います。そのため、油層技術者は予測生産量の下振れリスクを常に認識し、そのリスクに対する様々な対策を講じる事で、長期に亘って安定的に油ガス生産を可能とする開発・生産計画を構築する必要があります。このように作成した開発・生産計画をベースに、その後、投資意思決定、計画の実行、油ガスの生産が行われるため、当然大きな責任を伴いますが、それ以上に大きなやりがいのある仕事だと、日々感じています。

油層技術者は専門的な職種であるため、当然、深い知識や豊富な経験が求められます。しかし専門知識だけではなく、それと同時に、国籍や文化といった背景を問わず自らの意見を発信し、相手の意見を吸収できるコミュニケーション能力、責任とプレッシャーの大きい油層技術者の仕事を最後までやり抜く責任感も同様に必要となります。また、前例のないことに取り組む挑戦心は、今後、更に成長を果たそうとするINPEXにとって、何よりも大事なことかもしれません。その挑戦心こそが、イクシスやアバディに次ぐINPEXの今後の成長を支える新たなプロジェクトを生み出す根幹になると考えています。
※募集職種と掲載している社員の職種は、同一とは限りません。